打診・・

ちょいと本社に用事があったので、品川の本社に顔を出す。

予定は夕方には片付いたので、今回の昇格試験で同じく昇格した人事部の同期とお祝いがてらに飲みに行こうと思い、人事部に顔を出す。

新本社ビルの最上階。実は初潜入。ここは、管理本部と役員室があり、普段はなかなか近寄りにくい。
すげー。テラスがある。緑のテラス。さすがVIP。

なーんて、感動しながら人事部の同期に会いに行くと・・・

オイラ「あっ人事部長。ご無沙汰しております。あっ人事課長どうも!」
人事課長「おー、ちょっとこっちに来い」

と、会議室に呼ばれる。なんで? オイラは、ただ同期に会いに来ただけなのに・・・
と、そこに同期も現れ、くだらない世間話をしていると・・、突然・・・

人事課長「米国行き。もうちょっとやから。1年・・1年はかからんな。問題の後任も、いま探しているから・・。奥さんは、OKか? ヒューストンの○川が一人で大変そうで・・・なんとかかんとか・・・」

オイラ「あっ、ハイ。ありがとうございます。」

なかなか突っ込んで聞きにくいが、これって打診なのか?と、自分に問いかけた。 この話を信じていいのか? とにかくオイラは、人事部は信じない。しかし、続けざまに・・

人事課長「例の社費での留学の件は・・、上で止まっている。留学後の離職が問題で・・」

うーん、確かに。会社としては、留学させた人材が離れるのが怖いらしい。もちろん、契約で費用の返還等も請求できるだろうが、辞めたい奴は払ってでも辞めるからなぁとの社長の意見らしい。

確かに。オイラでもそう思う。なるほど。だから留学制度の話が止まっているのか。続けざまに

人事課長「ま、私費で留学するなら休職OKやで!! 入学許可証みせて行って来い。」

うっ! この人は、オイラの考えを読んでいるのか? しかし、やっぱり人事部は信用できない。課長は、個人的には兄貴肌で大好きなんだが・・

人事課長「ketoをほっとくと辞めると、上(本部長?)には脅しを入れてあるから。 ま、もう少しの辛抱だ。」

うーん、完全に読まれている。オイラの考えが・・。多分、オイラが会社を辞めて私費で留学しようとしている事に薄々と感づいている。多分、今日の何気ない話でその探りを入れている。また、なんとなく打診のような飴で、オイラを釣っている。

この話、信じていいのだろうか?人事課長がココまで言うのなら、嘘でないような気がするが・・、また流れたなんて言わないよな?なんて疑心暗鬼になっていたら最後に、

今度、社内の選抜(多分、留学候補者)対象に、ビジネス英語の定期講習をする話をされる。

完全に飴だな。ま、少なくとも米国行きの希望がない訳でなないのかぁ? いや、もう確定しているのか? うーん、また悩むなぁ。

ちなみに、迷いながら人事部を出たオイラは、そのまま社長室の方に迷い込み、危うくドアを開けるところだった・・。
間一髪、人事部の同期に止められました。ふー、あぶねぇ。